カメ太

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仮想通貨の歴史~主要な出来事をまとめました

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「仮想通貨」という言葉をネットやテレビでもよく見かけるようになりました。代表的なものでは「ビットコイン」で、仮想通貨の取引で億万長者になったという話も世界中に多くあります。日本でも2017年4月から仮想通貨法の施行が始まり、これからは国の監視や審査のもと、多くの人が安心して仮想通貨の取引をできる環境が整備されるようになりました。ここ数年で急激な成長を遂げたイメージの強い仮想通貨ですが、その始まりや歴史とはどのようなものなのでしょうか。

●謎の人物による論文がきっかけとなる(2008年〜)
仮想通貨の歴史は、ビットコインの開発とともに始まります。ビットコインのシステムがつくられたのは、サトシ・ナカモト(中本哲史)と名乗る人物がインターネット上で発表したある論文がきっかけとなっています。この論文、たった10ページしかありません

「ビットコイン:P2P電子マネーシステム」というタイトルがつけられたこの論文は、ビットコインの基本となる仕組みが書かれており、その内容に興味を持った世界中のプログラマーたちの手によってシステムの開発と改良が進められました。論文が発表されたのは2008年10月のことで、翌年の2009年1月からは一部で運用されるようになり、マイニング(採掘)と呼ばれる仮想通貨の発行が始まりました。この論文を書いたサトシ・ナカモトという人物には謎が多く、日本人の名前を名乗っていますが偽名であるため、そもそもどこの国の人間なのかすら正確にはわかっていません。そのため今までに何度か「私がサトシ・ナカモトだ」と名乗るニュースが流れる原因になっています。人間の名誉欲ってすごいですね。

論文に書かれていたビットコインのシステムとは、P2Pという技術を用いた分散処理と暗号化を施すことによって、通貨としての高いセキュリティ性を実現させるというものでした。このような特徴から、海外では仮想通貨という名称ではなく暗号通貨(Crypto currency)と一般的に呼ばれています。

これらの技術は現在ではブロックチェーン技術と呼ばれるものになります。取引履歴などを分散して記録しておくことで通貨の不正な発行や利用を技術的に防ぐ仕組みとなっており、ビットコインが通貨として高い信頼を得たのも、この技術が大きく影響しています。仮想通貨には通貨の発行元や管理者が存在しないため、銀行などの金融機関を介する必要がなく、オンライン上で個人から個人への少額で自由な送金が可能になりました。残念ながらビットコインを初期の頃のように少額で送ることは難しい状況です。

●ビットコインの最初の取引はピザ2枚(2010年)
画期的なシステムが注目されて開発が進められたビットコインでしたが、最初はあくまで問題点が存在しないかを確認するためのプログラマーたちによる実験のようなものでした。マイニングによって発行数も増えていき、送金テストなどが行われていましたが、ビットコイン自体には通貨としての価値がほとんどなく、ビットコインの最小単位である1BTCは日本円で0.1円未満の価値しかありませんでした。

2010年2月には最初のビットコイン取引所「ザ・ビットコインマーケット」が開設されてましたが、初めてビットコインを用いた商取引が行われたのはそれからしばらく経った2010年5月のことでした。当時、実験に参加していたプログラマーの1人が「1万BTCとピザを交換しないか?」というジョークをインターネット上に書き込み、それを面白がった別のプログラマーがビットコインを受け取って、ピザ2枚を注文してあげたのです。

それまで実験的なものだったビットコインがこの取引をきっかけに、実用的なものだと認識されるようになっていきました。同年7月には、後に世界最大のビットコイン取引所となったMt.Goxのサービスが始まるなど、世界中で現金とビットコインが交換されるようになり、少しずつその価値と知名度を上げていったのです。

●様々なメディアで取り上げられて価格が急騰(2011〜2012年)
アメリカの大手雑誌「TIME」でも特集が組まれるなど、2011年はビットコインが世間に広く知られるようになった年となりました。麻薬や銃などを違法販売する闇サイト「シルクロード」でビットコイン決済が利用されていたこともあり、連日の報道でさらなる注目が集まった結果、1BTCが30ドルを超える急騰を見せるなど、最初のビットコインバブルが発生したのです。

その後はビットコイン取引所がハッキングを受けるなどの被害もあり、1度大きく価格を下げることになりましたが、2012年にはビットコイン関連の様々なビジネスが登場するようになり、ビットコインを決済として使える企業やサービスも徐々に増えていくようになりました。
●日本における仮想通貨取引所の歴史
法律による規制が行われる以前の仮想通貨市場では、取引所のハッキング被害や不祥事によって価格が大きく下落するということが珍しくありませんでした。なかでも2014年に起きた「Mt.Gox」の破綻は、ビットコインの価格に大きな影響を与えました。Mt.Goxは初期のビットコイン市場において世界最大のシェアを持っている取引所であり、2011年からは日本を本社としていることで知られていました。破綻当初は外部からのハッキングによって300億円近いビットコインを消失したとのことでしたが、後に経営者が口座残高を不正操作していたことが判明して大きなニュースになりました。麻生財務相は「こんなものは長くは続かないと思っていた。どこかで破たんすると思っていた」と言っていて仮想通貨自体を批判的に見ていました。当時のメディアは仮想通貨は終わったと報道しており、取引所の1つが破たんしただけという見方は珍しいとらえ方でした。


●仮想通貨の方が安全だという考え方が生まれる(2013年)
2013年にヨーロッパのキプロス共和国で金融危機が発生するなど、世界中で国や銀行に対する信頼が揺らぐようになりました。キプロス共和国で使われていた通貨が世界的にも権威のあるユーロであったことや、中国国内でのビットコイン人気が高まって富裕層が資産をビットコインへ移す動きを見せたこともあり、10月には最高価格である1BTC=1200ドルを更新します。

ドルやユーロといった法定通貨は国の中央銀行が管理元となっているためにその価値が保証されていますが、破綻などの国家レベルの金融危機が起きた場合には、その価値を一気に落とすこととなります。それに比べて仮想通貨には発行元となる国や銀行が存在しておらず、取引によってのみ主に価格が決定されるようになっており、移動の際の手数料も安いため、安全で便利な逃げ場所としてビットコインが選ばれるようになったのです。

闇取引などで利用されていたこともあり、それまではどこかアンダーグラウンドなイメージの強かった仮想通貨でしたが、「自分の国の通貨よりも信頼できる」という新しい考え方を持った人が現れるようになるほど、仮想通貨は価値と信頼を持つようになっていたのです。この頃にはもはや国際経済においても仮想通貨は無視のできない大きな存在となっていました。

●第2のビットコインを目指して(2014年〜)
一時1200ドルを超える価格を付けたビットコインは、運用開始からわずか3年でその価値を1000倍以上にまで成長させたということになります。開発の初期段階からビットコインを保有していた人の多くは、莫大な富を築くことになったのです。

仮想通貨への注目が高まるなか、ビットコインに続くようなものをつくり出そうと、2014年以降は様々な仮想通貨や決済システムが開発されるようになっていきました。そのなかでもビットコインの持つブロックチェーン技術などのシステムを応用してつくられたものは「ビットコイン2.0」と呼ばれています。仮想通貨としての役割だけではなく、スマートコントラクトなどの様々な機能が付け加えられているのが特徴で、代表的なものとしてはイーサリアムなどが挙げられます。

2017年現在、仮想通貨の種類は市場で流通しているものだけでも500近くがあるとされており、多くの企業や銀行などでも積極的な開発や導入が進められています。Googleが出資していることでも話題になったリップル(XRP)など、高騰を続ける仮想通貨も多くあり、いまや仮想通貨市場はビットコインだけの世界ではなく、市場全体がバブルを迎えているのです。これにともない、ビットコインの時価総額は市場全体の40%と市場に占める割合はどんどん減っていっています。ビットコインは先駆者として広く普及していますが、今後の流れは変わっていくでしょう。

●日本でも仮想通貨に関する法律が可決される(2016)
仮想通貨は、インターネットの発展によって生まれた「新しい時代の概念」と呼ばれることもあります。これまでの法定通貨とは全く違った仕組みを持っており、短期間で急激な成長を遂げて影響力を持つようになったということもあり、各国で法の整備などが追いつかない状況にありました。

アメリカのニューヨーク州では、ビットコインを扱う業者を免許制とする「ビットライセンス」が2015年6月に発表され、初めての仮想通貨に対する規制制度として注目を集めました。日本国内でも仮想通貨に関連したトラブルや詐欺などは相次いでおり、こうした被害から利用者を守るため、2016年5月には「仮想通貨法」が可決され、2017年4月から施行されることとなりました。

仮想通貨法は資金決済に関する法律等が改正されたものとなります。これによって仮想通貨を扱う取引所は登録制となり、一定の監視下に置かれることとなりました。利用者が安心して取引に参加できるようになっただけではなく、仮想通貨を用いたマネーロンダリングなどへの対策ともなっており、犯罪への利用を防いでいるのです。また、法律によって仮想通貨の位置づけが明確となり、取引の基準が設けられたことによって、国内の大手企業なども仮想通貨の導入や取引に前向きとなっています。